2026年4月5日 | No. JRIFE-2026-0405
米国雇用統計分析レポート(2026年3月)
― 「見た目の強さ」と「内在する弱さ」が共存する米国労働市場 ―
| 馬渕 磨理子 一般社団法人 日本金融経済研究所 代表理事 |
2026年3月の米雇用統計は、市場の予想を大きく上回る結果となった。一見すると、米国経済はなお底堅く、雇用環境も良好に見える。しかし、この改善は必ずしも雇用環境の好転を意味しない。総労働所得は前月比ほぼ横ばい。労働時間がマイナス寄与し、賃金上昇と総労働所得は鈍化している。
| Key Findings
1.2026年3月の米雇用統計は、市場の予想を大きく上回る結果となった。非農業部門の就業者数は前月比17万8千人増と、事前予想(約6万人増)を大幅に上回り、失業率も4.3%へと低下した。一見すると、米国経済はなお底堅く、雇用環境も良好に見える。 2.求職活動を諦めた人が労働力人口から脱落し、失業率が押し下げられる傾向が継続。平均時給は伸びが鈍化。労働時間の減少により、総所得の押し上げ力が弱まっている。 3.イラン情勢によるインフレ圧力。FRBは「板挟み」状態。好調な雇用統計は目先の利下げ期待を後退させた。一方、景気減速の兆候が利下げ圧力を生む。 |
