2026年2月20日 | No. JRIFE-2026-0220
NISA制度の現状分析と制度拡充検討
― 2,826万口座・71兆円時代の到達点と、今後の課題 ―
| 馬渕 磨理子 一般社団法人 日本金融経済研究所 代表理事 |
NISA口座数は約2,826万、累計買付額は約71兆円に到達。政府目標56兆円を上回り「貯蓄から投資へ」の転換が加速している。新NISAは「投資は年配者のもの」という従来の常識を覆し、若年層も資産形成の主役として台頭する世代構造の転換を実現した。一方で、NISA制度の浸透には地域間格差や世代間格差が課題となる。また、今年はコーポレートガバナンス・コードが改訂され、国内企業は現預金を成長投資に振り向けることや経済安全保障への取り組みなどの具体例を新たに盛り込むことになる。企業の「貯蓄から投資へ」を促し、国内投資の促進→国内企業価値の向上→家計所得の増加という好循環を生み出す改革は資産運用立国・国内投資促進策の中核をなす。こうした政策の方向性は日本株のパフォーマンス向上につながり、NISAを通じた国民の資産形成にも追い風となる。本レポートでは、NISA制度の現状を多角的に分析し、制度拡充の方向性を検討する。
| Key Findings
1. NISA口座数は約2,826万、累計買付額は約71兆円に到達。政府目標2027年12月末までに56兆円を上回り「貯蓄から投資へ」の転換が加速している。 2. 30代普及率「4人に1人」に達し20代が50代以上を上回る世代構造の転換が起きている。 3. 地域間格差が顕著であり、東京都31.9%に対し青森県15.0%と約2倍の開きがある。 4. 購入資金の74.9%が預金・給与・年金からの新規資金であり「貯蓄から投資へ」の資金シフトが実際に起きている。 5. 2027年1月からこどもNISA(対象0~17歳、年間60万円)が開始予定。個人向け国債の対象化の検討の余地。 6. 日本株・日本国債専用NISAの新設検討について。 |