2026年2月25日 | No. JRIFE-2026-0225
海外投資家の日本国債シフト加速
― アムンディ30年ぶりオーバーウエート転換と強気の海外勢増加の背景分析 ―
| 馬渕 磨理子 一般社団法人 日本金融経済研究所 代表理事 |
要 旨
2026年2月に入り、海外投資家による日本国債への投資姿勢が急速に強気へ転換している。欧州最大の資産運用会社アムンディ(運用資産約2兆8000億ドル)は30年ぶりに日本国債のポジションをオーバーウエートに転換したと発表した(Bloomberg、2月24日)。英ジュピター・アセット・マネジメントも初めて日本国債に対する長期的な強気ポジションを構築。日本証券業協会のデータによれば、海外投資家は2026年1月に6兆400億円の日本国債を買い越し、2004年以降で月間ベース過去2番目の規模を記録した。国際通貨基金 (IMF)の日本担当ミッションチーフを務めるラフル・アナンド氏は財政懸念を理由に日本国債への海外勢の需要が後退している証しはないと述べている(Bloomberg、2月20日)。背景には、2月8日の衆院選における自民党・高市早苗首相の圧勝による政治的安定、日銀の利上げ路線の明確化、そして米国の政策不透明感を受けた「米国以外」への資産分散ニーズの3つが重なっている。米ダブルライン・キャピタルは日本国債を世界的ショック時の「リスクオフ・ヘッジ」として評価、海外勢の売りポジション解消と日本国債の「買いやすさ」回復を報じている(日経新聞、2025年5月9日)。長期にわたる超低リターン時代の終焉と「金利ある世界」への転換が外国人投資家の日本国債回帰を促している構図である。
| Key Findings
① アムンディが30年ぶりに日本国債をオーバーウエートに転換。10年債を買い、30年債を売るポジション ② ジュピターAMのマーク・ナッシュ氏も初の長期強気ポジション。衆院選後の政治安定を評価 ③ 海外投資家の1月買越額6兆400億円は過去2番目の規模。高利回りが財政懸念を上回る ④ 衆院選「自民圧勝」で国内外投資家が運用方針見直し。市場の焦点は財政から日銀利上げペースへ移行 ⑤ ダブルライン・キャピタルは日本国債を「リスクオフ・ヘッジ」として評価。円高効果で損失軽減を期待 ⑥ 日本の投資家にとっても外国債より国内債の魅力が初めて上回る局面に |