1月18日、資産運用EXPOに登壇し、その後のサイン本のお渡し会で就職氷河期世代の方からのお手紙を頂きました。その一文字一文字が、凍てつくようなあの時代を共に駆けた魂の響きとなって、私の胸に深く刺さりました。
資産運用EXPOでは「私も、就職氷河期世代です」「僕も…あのひどい時代です」という、静かでありながら確かな共鳴。それはまるで、モノクロームの世界に灯る、小さな灯火のようでした。どれほど多くの方々が、同じ痛みを抱えながら、それでも前を向いて歩んでこられたことか。
長く。あまりにも長く続いた冬の時代。出口の見えない暗闇の中、心細い時間が永遠に続くかのように感じられました。今もその苦しみは胸の奥底に、ひっそりと息づいている方は少なくないでしょう。いまも続いているのです。
私自身、あの時代の光景、孤独の冷たさ、世の中から弾き飛ばされた感覚。いまでも、鮮明に記憶しています。世の中からはじき出された、置き去りにされたような感覚。その痛みは、容易に消えるものではありません。
しかし、だからこそ見えない場所で、人知れず、懸命に歩みを進めてきた方が、どれほど多いことでしょう。沈黙の中の努力、それこそが、この世代の真の強さなのかもしれません。
お手紙を拝読し、確信しました。あの逆境は貴女を「知」への渇望へと駆り立てたのだと。金融、社会、政治…それらへの深い洞察力をお持ちです。
お手紙をくださった貴女、そして、厳冬の時代を共に過ごした皆さま。同じ世代を生きてきたこと、私は心から誇りに思います。あの痛みを知る世代だからこそ、できることがあると思います。
※本コラムの趣旨
経済・金融・政治の話題を難しい話について、数字などを抜きにして、情緒的に表現をすること。馬渕磨理子独自の表現で、世の中を表現することで、『より広い層にまで政治・経済について関心を持っていただく試み』です。