日銀の利上げ観測
日銀の利上げ、日本経済に投じられる一石。投じられた場合、その波紋は未だ不透明、軽挙は許されません。
個人消費は弱々しく春の息吹は未だ遠い。利上げの時期、今は機を見るに敏、静観の時です。
一方、アメリカではトランプ政権という荒馬が誕生し、規制緩和という鞭を振りかざしています。大型減税と相まって、経済活性化への期待は高まるばかり。自由という名の荒野を駆ける自動運転や、無限の宇宙を夢見る宇宙開発は、規制緩和の恩恵を最も享受する分野でしょう。
更に、M&A規制緩和というパンドラの箱が開かれようとしています。これが実現すれば、金融業界、特に投資銀行やプライベートエクイティファンドは莫大な富を得る、まさに黄金の雨が降り注ぐでしょう。
国内外の情勢を俯瞰すれば、日銀は利上げに対し、慎重な姿勢を貫くべきです。日本経済という名の船は、未だ荒波の中。羅針盤を頼りに、最適な航路を見極めることが肝要です。
トランプ政権の船出は、まさにエネルギー・シフトの狼煙となるでしょう。シェール革命でエネルギー超大国に躍り出た米国は、その勢いをさらに加速させ、化石燃料の掘削・輸出にアクセルを踏み込む。その波は、北極圏の資源開発にしのぎを削るグリーンランド問題にも、新たな動きが出る可能性が。
エネルギー安全保障への危機感は、世界中で高まりを見せ、資源開発への関心をいやが上にも掻き立てる状況です。その動向は、日本にとって他人事ではありません。日本は、長らく資源小国という運命に甘んじてきました。しかし、その運命を自らの手で書き換える力を持っています。米国からのエネルギー購入は、言うまでもなく、選択肢の一つ。加えて、エネルギー自給率の向上という難題に果敢に挑戦するのです。
中国のレアアース輸出規制もあり、日本の資源開発は海底資源にあらためて目が向きそうです。日本政府は、深海の探査を担う「自律型無人探査機(AUV)」の開発に本腰を入れています。「水中ドローン」と呼ばれ、全自動で深海を航行するAUVは新たな資源の発見へと導いてくれるでしょうか。
※本コラムの趣旨
経済・金融・政治の話題を難しい話について、数字などを抜きにして、情緒的に表現をすること。馬渕磨理子独自の表現で、世の中を表現することで、『より広い層にまで政治・経済について関心を持っていただく試み』です