【馬渕レポート】新年のご挨拶 ジェリフェ2025年1月号

馬渕 磨理子

【新年のご挨拶】
トリクルダウン起こす政治決断を 
国民は政治に愛想をつかしている。2025年はその動きが加速するだろう。混乱はこの夏の参院選へと続く。右も左もない、ただただ、国民の生活を良くして欲しいというのが私の願いだ。富裕層がさらに富裕になると、その富が低所得層にも浸透して経済活動が活発化し、利益が再分配されることを「トリクルダウン」と呼ぶ。現在「トリクルダウンは起きなかった」という見解が各方面で流布されているが、それは違う。再分配は政治の役割であり、その権限を持っているのが政府・与党だ。トリクルダウンを起こそうとする政治家が、国民の支持を得るべき局面に入っている。

歴史を振り返り、今を生きる政治家は胸に手を当てて欲しい。第二次安倍政権以降、政府・与党はこれまでのやり方を変えた。アベノミクスである。アベノミクスの果実を我が国は今、得ることができた。大事なのは再分配だ。その主体となるのは、故安倍晋三元首相を間近で支えてきた自民党の閣僚であり、幹部たちだ。
日本銀行は「利上げは勝ち戦、利下げは負け戦」との従来型の固定観念を持っていたが、第二次安倍政権で180度転換した。六重苦(①円高、②経済連携協定の遅れ、③高い法人税率、④労働市場の硬直性、⑤過剰な環境規制、⑥電力不足・コスト高)に苦しむ日本を救う選択肢はアベノミクスしかなかった。いまや、名目GDPはプラスに転じた。デフレ脱却しつつある上に、25年は貿易収支も黒字転換する可能性がある。この手柄は誰のものか。今こそ、自民党が中心となって、国民生活を豊かにする減税策・還元策を主導するべきだ。(日本金融経済研究所代表理事 馬渕磨理子)

一般社団法人日本金融経済研究所 代表理事/経済アナリスト
著書
▪書籍『5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術』(ダイヤモンド社)
WEBサイト:https://mabuchimariko.jp/