【出演】9月16日 フジテレビ LiveNewsα「自民党総裁選、求められる経済政策」 解説(日本金融経済研究所 代表理事/馬渕磨理子)

株価の最高値の更新、馬渕さんはどうご覧になりますか

馬渕)■アメリカの利下げを見込み、市場に「買い」の安心感が広がっています。さらに「トランプ関税」の直接的な影響は限定的になる。という議論があり、これも株高につながっています

 

それは、どういうことでしょうか?

馬渕)■帝国データバンクは、トランプ関税による実質GDPの押し下げは0、4%程と試算しています。ただし、市場が懸念しているのは日本企業が、そのコストを価格転嫁せず、自腹を切ったり、どこかに押し付けたりする事です。無理筋のコストの吸収は賃上げ余地が失われ、経済全体に悪影響を与える“自滅のシナリオ”が警告されています。市場が注視しているのが、自民党の総裁選です。「コストの押し付け」や「パイの取り合い」だけでは日本経済の限界は明らかです。どこかに、都合がいい分配の議論から脱却し、どこを、成長させるのか。戦略的な議論が活発化することを期待しています

 

成長のためには、どんなことがポイントになるのでしょうか?

馬渕)■市場が求めているのは「分散から集中への転換」という成長戦略です働く人の数は減り、労働時間も働き方改革の影響で縮小方向にあります。“縮んでいく日本”で、将来の成長を描くには「生産性」の向上しかありません。その鍵を握るのが、人材を含めた資源の再配置です。具体的には、ヒト、モノ、カネを「勝てる領域」に集中的に配分して、生産性を引き上げる必要があります。

 

ただ、成長から取り残されたところに手を差し伸べるのが政治の役割でもあるように思うのですが、いかがですか

馬渕)■分配重視の議論は、一時的な安心感を与えますが、「成長」なくして持続可能な分配はあり得ません。痛みをともなう議論から逃げずにこれからの成長を語り持続可能な分配のあり方について国民に理解を求めるリーダーを期待します。