【出演】フジテレビ LiveNewsα 「日銀・金融政策決定会合」 解説(日本金融経済研究所 代表理事/馬渕磨理子)

日銀が追加利上げを見送りましたが、馬渕さんは、どう受け止めていますか?

馬渕)日本の経済状況がまだ弱い中で、当然の判断だと思います。今後、利上げに向けては、「もう1段階」の変化が必要です。具体的には「持続可能な賃金の上昇の情報」がなければ利上げは難しいようです。ようするに来年の春闘を確認したいのだと思います。

ポイントになるのは、やはり賃上げと、その先にある消費の回復のようですね

馬渕)賃上げ。つまり所得が増加したときに、それらがどれだけ消費に回されたかを示す割合のことを「限界消費性向」と言います。「限界消費性向」について
日本は0.2程度と予測されていますが……。定額減税を行った、いまでさえ0.2どころか、0.1程度の低い水準になる可能性が出てきています。

馬渕)つまり、限られた所得の増加では、国民は消費に回さないことがはっきり示された訳です。物価と賃金は少し上昇して、循環も見え始めているかもしれませんが「消費への好循環」は、まだまだだとういうことです。

金融のかじ取りを担う日銀にとっては悩ましい状態が続いている訳ですね

馬渕)日本銀行はかねてより、予告をしていた通りに「金融政策の多角的レビュー」を公表しました。これは、金利のない状態が続いた中で日銀がおこなった非伝統的な金融政策。つまり、マイナス金利政策や、長期金利をピン止めするイールドカーブコントロールなどについて……。その効果と副作用についての評価・分析を行い将来の政策運営に役立てることを狙ったものです。この中で伝統的な金融政策に再び踏み切る可能性を残しているように見えます。アメリカの利下げは限定的金利が上昇しやすく世界的も波乱が起きやすい懸念が。日本の金利や経済状況においては国債の買い入れについては、再び増やすことが あるかもしれません。
https://www.fnn.jp/articles/-/804758