【出演】フジテレビ LiveNewsα 「富士通 経営戦略」 解説(日本金融経済研究所 代表理事/馬渕磨理子)

2024年 12月12日 代表理事、馬渕磨理子 フジテレビ LiveNewsα 出演

ここでは大阪公立大学 客員准教授の馬渕磨理子(まぶち・まりこ)さんに、伺います。
サイバー攻撃に備えて、事前にITシステムの脆弱性を見つけ出すAIとの事ですが、どうご覧になりますか?

馬渕)■AIが人に代わって自律的に仕事進める技術は「AIエージェント」と呼ばれていますが、セキュリティーに特化したAIエージェントは珍しいです。これによってITシステムの管理や運用の担当者が高度なセキュリティ対策を実現できるようになります。いま富士通は 大きな改革の真っただ中にあり今回のAIエージェントも、新しい事業の成果なんです。

新しい事業とは、どういうものなんでしょうか?

馬渕)■これまで富士通は産業ごと、あるいは顧客企業ごとに、個別の困りごとを解決する形で、一品ずつ手づくりのシステムを提供してきました。
(従来のSIer)。この良さを生かしつつも、今はサービス提供型の事業にチカラを入れています。なかでも、企業、産業、社会と、あらゆるものをサステナブルな方向に前進させることを掲げた「Fujitsu Uvance(ユーバンス)」という新しい事業ブランドは、富士通の成長ドライバーになっています。こうした自らの使命を明確に認識して、改革を進めている点が、富士通の強みになっています

その自らの使命とは、どういうことなんでしょうか

馬渕)■富士通はマテリアリティと呼ばれる会社を上げて取り組むべき重要課題のひとつに「デジタル社会の発展に貢献する価値を提供していく」としています。このマテリアリティはの設定は、「自社」だけでなく環境や社会などのステークホルダーにとっても「持続的な成長に向けて解決すべきものは何か。こういう視点で経営者、従業員などで定めます。自社の視点だけでなく、社会とどう繋がり、自分たちの存在がどんな影響を与えるのかという自社と社会の2軸で考える「ダブル・マテリアリティ」の視点がいま、主流になっています。

■私も上場企業の社外取締役を勤めていますが、取締役会の議題に「マテリアリティの設定」を挙げています。マテリアリティを掲げる企業が増えてビジネスのチカラで社会の課題解決が進んでいく事を期待したいです。