2024年 10月31日 代表理事、馬渕磨理子 フジテレビ LiveNewsα 出演
馬渕 コメント要約
追加利上げの見送り、馬渕さんはどう受け止めましたか?
馬渕)日銀は政治とは距離を置いて金融政策を判断すべきです。ただ、自公政権の過半数割れによる不安定な政治。アメリカの大統領選挙が来週に控えるなかで、
新しい動きを取りづらいのは、当然のことでしょう。
追加利上げに踏み切るためにはどんな条件が揃う必要があるのでしょうか?
馬渕)すでに利下げに転じているアメリカの金融政策とのバランスを見ながら、慎重に利上げの機会をうかがう必要がありますが、ポイントは国内の賃上げと為替の行方です。まず、賃上げについていうと、来年の春闘で 連合は、賃上げの目標を「5%以上」と想定しています。これが重要なカギを握ることは間違いありません。もうひとつの為替についてですが1ドル153円台と足元で円安が再加速しています。円安が続くと物価の上昇につながる懸念があるため円安の進行状況によっては前倒しの利上げの可能性もゼロではありません。
今は「金利のある世界」に移行するタイミングを慎重に図っている訳ですね?
馬渕)長期的に見ると、日銀は政策金利を2025年末までに1.0%へ到達させる可能性があります。適切なタイミングで金利の引き上げを図りその先にある「体温のある経済」への移行が求められています。これは、国民の実質賃金・可処分所得をプラスにして消費が盛り上がり日本経済が景気回復の、熱をおびる、ことができてようやく可能になります。
賃金上昇のためには、どうしたらいいのでしょうか?
馬渕)景気の回復局面では、金融だけではなく、財政など政策の総動員が必要です。これまでは、限られたパイの中で国と国民の取り分についてどう配分するかの議論にとどまっていました。今回の衆議院選挙によって生まれた与野党間の絶妙なパワーバランスは、ある意味、国民の集合知の現れです。政策を大きく実現するまたとない機会でもあります。具体的には能動的に、前向きに活動した人が減税を受けられることによって消費マインドを喚起させることが出来ます。国民の暮らしを豊かにする有効な経済政策 国会での政策実現に向けた討論・議論が待たれます