【出演】フジテレビ LiveNewsα 石破総理 所信表明演説(日本金融経済研究所 代表理事/馬渕磨理子)

2024年 10月4日 代表理事、馬渕磨理子 フジテレビ LiveNewsα 出演

石破総理の所信表明演説、経済の視点から解説致しました。

【コメント要約】
きょうの石破総理の所信表明演説、特に経済の視点から見て、どのように受け止めていますか?

馬渕)所信表明演説は、岸田路線の継承を色濃く印象づけたものとなりました。総裁選の決戦投票で岸田前総理らが「石破さんを支持」したこと。総選挙は株高
でなければ厳しいという認識がありますので足元の株価や為替対策に手を打ったようです。2つ目の「日本経済・地方経済の成長」に注目しています。石破首相は地方創生交付金の倍増を表明しています。日本の需給ギャップは、昨日出た日銀のデータではマイナスです。「需要」が足りていない推計ですので、予算を組んで、経済対策を打つこと自体には問題ありません。ただ、地方創生や地域活性化をスローガンとする国の政策はゆうに60年以上議論を続けていて、今までのやり方では、答えが出ないことが分かっています。

 1962年 新産都市 
 1978年 高度経済成長期を過ぎた大平元首相の田園都市
 2014年以降 福田内閣の地方再生
 2021年 岸田文雄内閣の下で始動した構想、デジタル田園都市線構想

予算を倍増したとしても、どこに効果が出たか分からずに、消えていくことなりかねません。所信表明演説のなかで「高付加価値のモノとサービスをグローバル市場において適正な価格で売ることのできる経済を実現」するという言葉がありました。

過去の日本の失敗は「いいものを作れば、買ってくれる」と考えて「どうやって世界に売り、利益をあげるのか」その議論がなかったためグローバルでは戦えませんでした。日本は販売する前の製品サービスにこだわり、95%の完成度を100%にすることに注力していますが、大事なのは85%でも前に進んで売る。そして、不具合があれば進みながら微修正するということです。今回の地方創生の文脈でも日本の食や観光などの付加価値を高めていく議論がメインですが、これは、地方の素晴らしい素材を95%から100%にする議論です。そうではなく、どこにどうPRして、どう販売して稼ぐのか。トップ外交含めた、出口の設計がカギを握ると思います。