【出演】7月9日 フジテレビ LiveNewsα「トランプ関税25% 日本政府の反応」 解説(日本金融経済研究所 代表理事/馬渕磨理子)

トランプ関税は25%。馬渕さんは、どう受けて止めていますか?

馬渕)これは、いってみれば据え置きです。選挙が終われば、本格的な交渉が避けられません。現実的な解決策は、アメリカの貿易赤字を減らすため日本がアメリカらの輸入を増やすことです。具体的には、コメや自動車が難しいのであれば防衛装備品や軍事関連の購入拡大。そしてエネルギー分野での協力が考えられます。既に日本は米国製の最新兵器やシステムを導入していいますが、これを増やす。エネルギー分野ではアラスカのLNG液化天然ガスの将来的な“新規輸入”としての構想を進める。日本がいまの、化石燃料の購入量の5分の1でも米国に振り向ければ、輸入額は年間5.5兆円となり日本の9兆円の貿易黒字をほぼ半分に削減するのに十分な額となるという試算もあります。さらに、トランプ氏は原子力政策の方針転換をこの5月に打ち出し国内での核燃料の再処理やウラン濃縮を進めていく方向です。日本もこの流れに追随することでエネルギー分野での米国との協調を強化することができます。これは単なる貿易赤字の削減策にとどまらず、日米同盟強化やエネルギー安全保障の観点からも極めて重要です。

日米関係そのものが、どうあるべきか。
という広い視野で考える必要がありそうですね

馬渕)世界的な地政学リスクが高まる中で、日本が米国との関係を深めることは。国際社会における日本の立場を強化するうえでも大きな意味を持ちます。日本としては、短期的な譲歩や妥協に終始するのではなく。中長期的な視点で国益を最大化する戦略的な対応が求められます。

これから日米関係を強化していく上でどんなことがポイントになるのでしょうか

馬渕)防衛やエネルギー分野での協力を通じて、米国との信頼関係を維持・強化しつつ、日本の産業や雇用を守るための知恵と工夫が
これまで以上に求められる局面です。今後の政府の交渉力と、民間の創意工夫に期待したいと思います。